「草津よいとこ、一度はおいで」という民謡が今も口をついて出るくらい、草津温泉は日本人にとって特別な温泉地だと思う。
日本三名泉のひとつに数えられ、自然湧出量は1日あたりドラム缶約23万本分。これは日本全国でダントツの1位。「これほどの量が自然に湧き出しているなら、かけ流しにできるのは当然だよな」と思うくらい、草津の湯は豊富で力強い。
ただ、「源泉かけ流し」と言っても、草津には複数の源泉があって、宿によって引いている湯が違う。湯畑源泉なのか、万代鉱なのか、西の河原なのか——これが宿選びのひとつの軸になる。しかも草津の湯はかなり強い酸性で(pH1.6〜2.1程度)、入り方を間違えると肌が荒れることもある。「草津は強いから長湯しないで」と地元の人に言われたことがある人もいるのでは。
個人的には、この"湯の強さ"こそが草津の醍醐味だと思っている。入ったあとのピリッとした感覚と、肌がさらっとする爽快感。循環やろ過では絶対に出せない、かけ流しだからこその体験だ。
この記事では、草津温泉で源泉かけ流しの温泉を楽しめる宿を4軒に絞ってご紹介する。老舗旅館・新興リゾートホテル・こぢんまりとした宿と、タイプも料金帯も違うので、目的に合わせて参考にしてほしい。
草津温泉の源泉かけ流しとは?知っておきたい湯の基礎知識
草津温泉の宿を選ぶ前に、少しだけ「源泉かけ流し」と「草津の源泉の種類」を押さえておくと、宿選びがぐっと楽になる。
草津の代表的な3源泉 — 湯畑・万代鉱・西の河原
草津温泉には複数の源泉があるが、宿泊施設で多く引かれているのは主に以下の3つ。
湯畑源泉は草津温泉のシンボルである「湯畑」の周囲から湧き出る源泉で、硫黄の香りが強く、乳白色になることもある。湯の色の変化が楽しめることから、「草津らしい温泉体験」を求めるなら湯畑源泉の宿が候補になる。万代鉱(ばんだいこう)源泉は、pH1.6前後と草津でも特に強い酸性の源泉。殺菌力が高く、温度は90度を超えることもある非常に力強い湯だ。西の河原源泉は比較的マイルドで、硫黄の香りがやや少ない。「草津の湯は強すぎて不安」という方には、西の河原源泉の宿から試してみるのもいい。
草津の宿の中には、これら複数の源泉を同時に引いて「湯めぐり」を楽しめるところもある。
源泉かけ流しの意味と草津ならではの特徴
源泉かけ流しとは、温泉から湧き出た湯を加熱・循環・ろ過をせず(または最小限にとどめ)、直接浴槽に注いでかけ流す方法のこと。草津温泉は湧出量が多く、湯温も高いため、本来の意味でのかけ流しが実現しやすい。
入浴後に感じる「ピリッとした感覚」「肌がさらっとする爽快感」は、新鮮な源泉をかけ流しにしているからこそ体感できるもの。循環式ではこの感覚は出にくい。草津の強酸性の湯は殺菌・消毒にも優れており、「傷に効く」「水虫に効く」という昔ながらの言い伝えもここから来ている。長時間の入浴は肌を刺激するため、初めての方は短めの入浴(15〜20分程度)から始めるのが草津流。
楽天トラベルでは、草津温泉の源泉かけ流し宿を「源泉かけ流し」フィルターで絞り込んで検索できる。
老舗の風格と2源泉6湯船 — 草津温泉 望雲
草津温泉の旅館を語るうえで、草津温泉 望雲は外せない存在だ。創業は慶長4年(1599年)——400年以上の歴史を持つ老舗中の老舗で、志賀直哉や与謝野晶子など多くの文人墨客に愛されてきた宿としても知られる。
2源泉・6湯船で本格的な湯めぐりを体験
望雲の一番の魅力は、「万代鉱」と「西の湯(西の河原源泉)」の2つの異なる源泉を引いている点。大浴場の「万代の湯」(万代鉱源泉)と「西の湯」(西の河原源泉)がそれぞれ内湯・露天風呂を持ち、合計6つの湯船が楽しめる。同じ源泉かけ流しでも、源泉の違いによる湯の色・香り・肌触りの違いを1泊で体感できるのは、なかなかできない体験だ。
万代鉱の湯に浸かったあと、西の湯のマイルドな肌あたりを比べてみると、草津温泉の奥深さがじわじわと伝わってくる。「どっちの湯が自分に合うか」を試せるのが、望雲ならではの醍醐味。
落ち着いた和の空間と上州の会席料理
館内は重厚な木造建築で、大浴場のある廊下を歩くだけで「古いいい旅館に来た」という満足感がある。客室は和室が中心で、広縁つきのゆったりとした造り。窓の外には庭園の景色が広がる。
食事は上州(群馬)の食材を使った会席料理が中心。旬の山の幸・川の幸が丁寧に仕上げられており、部屋食か食事処かは時期やプランによって異なる。「温泉と料理、両方に満足した」という口コミが多く、記念日・誕生日の利用でもよく名前が挙がる。
草津温泉に来て「本物の旅館に泊まりたい」と思うなら、望雲はそのイメージに近い宿だと思う。
所在地:群馬県吾妻郡草津町草津226
アクセス:JR吾妻線 長野原草津口駅から車で約20分(送迎あり・要確認)
源泉:万代鉱・西の河原(2源泉、源泉かけ流し)
湯船:内湯・露天風呂それぞれ2源泉の合計6湯船
創業:慶長4年(1599年)
最新料金・プランは楽天トラベルでご確認ください
湯畑源泉100%かけ流し・24時間入浴可 — 草津温泉 菊水荘
「湯畑源泉のかけ流しにこだわりたい」という方には、草津温泉 菊水荘がいい選択肢だ。昭和31年創業で、草津の湯治文化の名残を残すような、派手さよりも「湯のよさ」を前面に出した宿。
湯畑徒歩4分の立地と、純かけ流しの温泉
菊水荘の自慢は、湯畑源泉を100%かけ流しにした温泉浴場。男女別の内湯があり、浴場は24時間利用可能。夜中に目が覚めて「ちょっと湯に浸かりたい」というときも入れるのは、温泉好きにはありがたい。
湯畑源泉は天候や季節によって色が変わる——白濁したり、透明になったり、やや緑がかって見えたりする。同じ草津でも、来るたびに湯の顔が違うことがある。「昨日と今日で色が違う」という体験は、かけ流しの宿でしか感じられないことだ。
バスターミナルまで徒歩2分、湯畑まで徒歩4分という好立地も見逃せない。草津の町歩きや「湯もみショー」なども気軽に楽しめる位置にある。
13室のこぢんまりとした温かみのある宿
総部屋数は13室。大型ホテルが多い草津温泉の中では、「少人数でゆっくり過ごせる小さな宿」を求める人に向いている。スタッフとの距離が近く、顔を覚えてもらえるくらいのアットホームさがある。設備的にはコインランドリーや自動販売機も備わっており、長期滞在(湯治泊)にも対応している。
「湯質重視・素朴な宿が好き」という方には、菊水荘のスタイルはかなりしっくりくるはずだ。口コミでも「湯がよかった」「また来たい」という繰り返し訪問者の声が多い。
所在地:群馬県吾妻郡草津町草津396
アクセス:草津温泉バスターミナルより徒歩約2分、湯畑より徒歩約4分
源泉:湯畑源泉100%かけ流し
浴場:男女別内湯(24時間利用可)
総部屋数:13室
最新料金・プランは楽天トラベルでご確認ください
万代鉱源泉の強酸性湯を大浴場で — 伊東園ホテル草津
コストパフォーマンスと施設の充実度を重視するなら、伊東園ホテル草津は候補に入れてほしい。伊東園ホテルズは全国展開のホテルチェーンだが、草津では「万代鉱源泉かけ流し」という本格的な温泉設備を備えており、料金と内容のバランスがいい宿として評判を得ている。
pH1.6の万代鉱源泉がもたらす本物の草津体験
伊東園ホテル草津が引いている万代鉱源泉は、草津の源泉の中でも特に強い酸性を持つことで知られている。湯温は約94.5℃と非常に高く、加水して適温に調整しながらかけ流している。
pH1.6という数値は、草津の源泉の中でも最強クラス。これだけの強酸性の湯に浸かると、肌の余分な角質がほどよく取れて、入浴後に「肌がつるつるする」という感想を持つ人が多い。「殺菌力が高い」「傷の治りが早い」と言われる草津の湯の特性が、最もわかりやすく体感できる源泉だ。
大浴場・露天風呂・サウナが揃う充実の温泉施設
男女別の大浴場には、内湯・露天風呂・サウナがセットで備わっており、温泉+サウナの組み合わせで楽しみたい方にも向いている。貸切風呂は有料で利用でき、カップルや家族でプライベートな時間を過ごすことも可能(最新の料金・予約方法は楽天トラベルまたは公式サイトでご確認を)。
草津温泉は観光スポットも多く(湯畑・西の河原公園・草津熱帯圏など)、温泉だけでなく観光も楽しみたいという方にはアクセスが良い立地も魅力だ。
所在地:群馬県吾妻郡草津町草津539-1
アクセス:草津温泉バスターミナルより徒歩圏内
源泉:万代鉱源泉かけ流し(pH約1.6)
浴場:男女別大浴場・露天風呂・サウナ、有料貸切風呂
最新料金・プランは楽天トラベルでご確認ください
全室天然温泉露天風呂付き×3源泉かけ流し — ラビスタ草津ヒルズ(共立リゾート)
「源泉かけ流しを、最上級の環境で楽しみたい」——そう思うなら、ラビスタ草津ヒルズ(共立リゾート)は草津で最も充実した選択肢のひとつだ。
全69室すべてに天然温泉露天風呂が付いている
ラビスタ草津ヒルズの一番の特徴は、「全室天然温泉露天風呂付き」という点。69室すべての客室に、源泉かけ流しの温泉露天風呂が設置されている。チェックイン後から翌朝のチェックアウトまで、好きなときに好きなだけプライベートな露天風呂に浸かれる贅沢は、この宿でしか味わえない。ドイツの「グリム童話」をテーマにした客室デザインも印象的で、旅の非日常感が高い。
最上階の眺望浴場と4つの無料貸切風呂
さらに、最上階の眺望浴場では湯畑源泉と万代鉱の2源泉のかけ流し温泉が楽しめる。草津の町を見渡す絶景の中で入浴できるのは、個人的に「草津で一番のシチュエーション」だと思う。また、同フロアには4つの趣の異なる貸切風呂が無料で利用できる(時間制予約)。客室露天+大浴場+貸切風呂という三重の温泉体験は、他の宿にはなかなかない構成だ。
楽天トラベルの口コミでも「風呂」部門の評点が高く、温泉目的で訪れる方の満足度が特に高い宿として知られている。カップルや記念日の利用にも人気で、早めの予約を推奨したい。
所在地:群馬県吾妻郡草津町草津230-38
アクセス:草津温泉バスターミナルより徒歩圏内
源泉:湯畑・万代鉱・湯川の湯(3源泉、かけ流し)
客室:全室天然温泉露天風呂付き(全69室)
浴場:最上階眺望大浴場、無料貸切風呂4室
最新料金・プランは楽天トラベルでご確認ください
草津温泉の源泉かけ流し宿の選び方
4軒を紹介してきたが、「結局、どれを選べばいいの?」という疑問には、目的別に答えていきたい。
源泉の種類と個性で選ぶ
湯畑源泉にこだわるなら菊水荘か、ラビスタ草津ヒルズの大浴場(湯畑源泉引湯)。硫黄の香りが強く、草津らしい乳白色〜透明の湯変わりを楽しみたい方向け。万代鉱源泉の力強さを体感したいなら、伊東園ホテル草津かラビスタの大浴場。pH1.6という草津最強クラスの酸性湯は、「湯の力」を最もダイレクトに感じられる。複数の源泉を一度に楽しみたいなら、2源泉6湯船の望雲か、3源泉を引くラビスタ草津ヒルズが最適だ。
宿の規模感・旅のスタイルで選ぶ
老舗旅館の風格・会席料理を楽しむ → 草津温泉 望雲。湯治宿の雰囲気・少人数でひっそり過ごす → 菊水荘。コスパ重視・施設充実で気軽に楽しむ → 伊東園ホテル草津。全室露天風呂付き・記念日や特別旅行に → ラビスタ草津ヒルズ。
草津温泉はシーズン(特に紅葉・年末年始・GW)には早い段階で希望の宿が埋まりやすい。「行きたい宿」が決まったら、早めに楽天トラベルでプランをチェックしておくことをおすすめしたい。
まとめ
草津温泉の源泉かけ流し宿を4軒ご紹介した。老舗・望雲の歴史的な風格と2源泉、菊水荘の湯畑源泉への愚直なこだわり、伊東園ホテルの万代鉱かけ流しと施設充実、ラビスタ草津ヒルズの全室露天という圧倒的なスペック——それぞれに違う魅力がある。
草津の湯はどれも本物の力強さを持っており、「かけ流し」で楽しむことでその力が最大限に発揮される。正直、草津温泉は何度行っても「また来たい」と思う場所なんですよね。それはきっと、この湯の力のせいだと思っている。
旅の前に体調を整えて、ゆっくりと湯に浸かる時間をたっぷり確保してほしい。草津での温泉時間が、最高の旅の思い出になりますように。
最新の空室状況や料金は、楽天トラベルでご確認ください。公式サイトの最新情報もあわせてご参照ください。










